「伊上勝評伝」を読む
大阪の本屋は非常に品揃えがよろしい。京都の大型書店ではどうにも手に取れなかったこの本もすんなり見つかった。京都の本屋難民事情は悪化の一途を辿ってる・・・・。それは置いておいて。
まだ半分ほどしか読んでいないのだが、なかなかおもしろい。伊上勝さんについては「「大鉄人17」の前半や「宇宙からのメッセージ銀河大戦」の後半、「仮面ライダー」の新一号編などが特に好きで、**7人衆とかがヒーローに挑んでちょっとずつやられてゆくとか「**の鉄箱」とか「**のマイクロテープ」とか「**の鍵」とかの「勝負の鍵を握る秘宝」の争奪戦みたいなストーリーになると抜群のおもしろさを見せてくれる脚本の人という個人的な印象がある。著者の人も触れているとおり、これだけ著名な方なのになぜか評価が得られていなかったのは不思議でならない。
井上敏樹さんが実子であるとは知っていたが、今回の寄稿は冷静な批評として、親子の関係性のケーススタディーとしてもすごく興味深かった。伊上勝さんという脚本家としての「限界」は井上敏樹さんの分析では、私がこの方の作る物語に最もおもしろさを感じていた部分だったところがすごくショックだった。言われてみると、登場人物同士の恋愛的な関係をこの方が描いた話はすごく少ないかも知れない。余計な捜査をすっ飛ばして敵のアジトにいきなり乗り込んでることもすごく多いかも知れない。なるほどと思った。
作詞作品の中で「闘え!ドラゴン」のエンディング「ロンリードラゴン」が紹介されていて、へんてこな歌詞と思って聴いていたが、改めて文字として読むと伊上勝さんの生き様とオーバーラップしてジーンと来た。
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