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2009年9月 5日 (土)

藤子・F・不二雄大全集 エスパー魔美を読む

 なかなか忙しくて、第2回配本分もゆっくり読めていない。宿直勤務があったので「エスパー魔美」を鞄の底に隠して持って行って、夜中に読了する。実はF先生ファンを自称しながら、エスパー魔美はわざと読んでこなかった。アニメも見なかった。訳はわからないがなんとなく肌に合わない印象があったというのが理由かも知れない。あんまり毛嫌いしないで、今回はちゃんと読んでみようと思っている。
 率直に言ってなかなかおもしろかったのだが、「T.P.ぼん」のようにもっと早く知っていればよかったという感じではなかった。自分は「くたばれ評論家」の回を、行きたくもないキャンプに親に言われて行かされたときに、別の参加者がもっていた「マンガくん」を回し読みさせてもらえず横目で見ていたのを覚えている。これが第1話なのだとずっと思っていた。改めて読んでみて初見時の楽しくなかった印象を引きずってしまっているだけでなく、魔美のキャラクター自体にあんまし魅力を感じなかったというのが大きいかもしれない。個人的にF先生の女性キャラクターで一番魅力あるのはT.P.ぼんの安川ユミ子くんなのだが、造形的にキテレツ大百科のみよ子さんが成長したらユミ子くんになる感じで、しずかちゃんよりもずっと好みだったりする。ドラえもんの「幽霊城にひっこし」の回にでてきたロッテさんとかなかなか魅力的な女性キャラはF先生には多いのだが、魔美はどうにも好きになれなかった。これはもう感性的なものなのだろう。ついでに言うと原点とされる「赤毛のアン子」もあんまり魅力を感じなかったために好きな作品ではなかったりする。ただ、お話の底流にヨーロッパの魔女狩りなんかの「いかにもF先生」というエッセンスが隠されていて、魔美がどうしてそういう能力を持つに至ったかという納得のさせ方がやっぱり素晴らしいと思う。
 中学年以上ターゲットのF先生作品はやっぱり構成的におもしろくって、お父さんの個展の絵をローン会社の女社長が買おうとする話や、ボクシング部の話が継続してゆくところはなかなか楽しい。高畑くんも良いキャラで、魔美との関係の推移がおもしろいと思う。
 まあ、あんまり毛嫌いせずに知らない世界を楽しませてもらおう・・・・・。

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