早坂文雄の音楽を聞く
指揮者の本名徹次さんという方がいて、この方の指揮である合唱曲を歌う機会があったことと、自分の大好きな伊福部昭さんの楽曲をこの数年精力的に発掘されているということで余計に注目するようになった。この方、自身のHPだったと思うのだけれど「日本には日本の素晴らしい管弦楽曲が多く発表されている。日本にはいい物があるのだから自分らはそれを広めるべきだろうし、みんなもそういったいい物があるということを知って聴いておくべきだろうと思う」というようなコメントをされていたと記憶する。自分もそれは賛成で、もっと色々とそういったいい音楽をいっぱいCD化してもらえると手軽に聴けるようになるのになあと思ってはいるのだ。
先日、仕事の待ち時間に職場の自分のパソコンからなんとなく本名徹次と検索すると「七人の侍〜早坂文雄の世界」というのがひっかかった。以前にキングレコードから似たタイトルが出ていたような気がしたがこれは別盤で、アマゾンでは物がなくTWレコードの通販サイトで扱ってるのを見つけて申し込んだ。
表題の「七人の侍」のスコアから交響組曲として主要なテーマが再編されていて、その他の早坂文雄さんの管弦楽曲が3曲入っている。キングの「早坂文雄の芸術」も本名徹次さん指揮で、七人の侍の「間奏曲」はかなり気に入って何度も聞いたが、今回の「交響組曲 七人の侍」もかなり素晴らしい。豪華な楽器編成で聴く野武士のテーマ、農民のテーマ、菊千代のテーマ、侍のテーマそれぞれ明瞭な旋律でいいなあと感じたが、特に逢い引き(?)のテーマはなんとも美しい日本的というか素晴らしい旋律で、改めて聞き入ってしまった。
この早坂文雄さん伊福部昭さんとは同僚的な位置づけで、41歳で亡くなっていて自分はぎくっとしてしまうのだが、もう少し生きて創作を続けておられていたら映画音楽や管弦楽曲の部分で大きく歴史は変わっていたのだろうなあということを感じさせる。どの曲にも思うのはなにか「日本的」なものを追い続けておられたのかなあということだ。特に「二つの賛歌への前奏曲」(1935)とかの美しさは、伊福部昭さんの求めたアイヌ的・日本的なものとはまた違ったこの人なりの日本人的な生き様とはなにか?というような問いかけを感じてしまう。きっとその志は半ばだったのだろうなあと思ってしまう。
個人的には今「交響組曲ユーカラ」というのをすごく聴いてみたいなあと思っている。もっと手軽にこの人の音楽がショップで手にはいるようになればいいとは思うのだが・・・・・。
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