「特技監督 中野昭慶」を読む
半日で読み終わる。なかなかおもしろいインタビュー本だった。東宝特撮の一番しんどかった時期を乗り切った人として、もっと評価されてもいいのにと思う。低予算、準備期間なしという悪い条件の中で円谷特撮の伝統を真摯に継承した仕事は個人的にすごく影響を受けさせてもらった。特に「ゴジラ対メカゴジラ」でのコンビナート戦の場面。「日本沈没」の東京大震災のシーン。「ゴジラ対メガロ」のダムのシーン。「ゴジラ対へドラ」のドロドロ1回戦。「惑星大戦争」の金星大魔艦対轟天戦。「84ゴジラ」の上陸場面など、緻密さに欠けてもメリハリの効いた、映画的に映える画面作りは大好きで、とても素晴らしいと思う。
本の内容的には4章の自作を語る所以降がおもしろい。個人的に中野特撮ファンを自称していたが、見ていない映画が結構あることに気づいた。「人間革命」なんかは封印されていたけれど近年DVDが出たみたいだし、「連合艦隊」とか8.15モノは円谷監督のライブフィルムにばっかり目がいって、中野演出部分をもっときっちり見ないといけないなあと思った。
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